違和感が塊となって虫の居処を悪くする
ここのところ私が嗜む国営公営賭博業界に関連した、Twitterを始めとしたSNSで散見した事象、またはそれを記した記事、そしてそれに関するユーザーの反応にものすごく違和感を感じた…のでそれについてのことを記しておきたい。
その一つは過去を彩った名馬の天逝。
今週、アグネスデジタル號とノボトゥルー號が相次いで天に召された。
アグネスデジタル號は24歳、
ノボトゥルー號は25歳である。
それに対してTwitterの私のTLでは惜しむ声が溢れていた…の、だが…
アグネスデジタル號を管理した白井寿昭元調教師のコメントを抜粋し引用したい。
「人間でいえば96歳、
良く頑張ってくれました」
なのである、私は非常に同感した。
なのに、である。
『まだ早い』
『なんでこんなに早く』
『信じられない』
といった論調のツイートを散見したときの
違和感たるや。
こと邪推するならば、
アグネスデジタル號に関して言えば
天逝する直前にTwitterにupされた写真が関係しているのかも知れない。
引用はあえて避けるが、
現役時代の筋骨隆々なシルエットとはかけ離れた、あばらの浮き出た馬体に、抱き寄せれば折れてしまいそうな首筋。
言葉を選ばず書いてしまえば
素人目にはちゃんと飼育されているのか、と疑念を持たれた方もいたかも知れない。
幸い私には、幼い頃1頭の馬を看取った経験があったのでそうは見えなかったが。
彼の現役時代、馬券を握りしめ「マトバー!」「シイー!!」と叫んでいた私にも、彼の姿にある程度の衝撃を受け、また、そう遠くない未来に彼との別れを覚悟させた写真であった。
駄菓子菓子、である。
生あるものいつかはその幕を閉じる。
96まで生きた者に対し、
まだ早いとはなんぞや?
200まで生きろと?
いや、君はデジタルが引退してから
どれだけデジタルを思い出した?
ノボトゥルーが引退してから
どれだけ君はノボトゥルーに思いを馳せた?
エゴだよ、それは。(©️アムロ・レイ)
早い遅いを断じられるのは、
牧場でデジタルの、ノボトゥルーの最後を看取った牧夫さんだけに許されるものであると私は思う。
ここで私の虫の居処メーターがグングン上がっていったのである。
続いては艇界に目を向けてみよう。
これを記している今日、
いや、日付変わって昨日か。
競艇の最高峰レースであるSG競争を2度制した我が同郷の先輩、熊谷直樹選手が引退を発表し記者会見を開いた。
その2週前には、私と同年齢の野添貴裕選手が怪我からの復帰を断念し引退、
また先週の尼崎競艇において、白石浩二選手と橋本健蔵選手も引退された。
同年齢の野添選手はもちろんのこと、
こと白石選手に関しては、
かつて血道を上げて
寝る間も惜しんで張り切ってやっていたSNSグループを介し、ほんの僅かながらやり取りがあった選手なので心にグッと来るものがあった。
このニュースに対し、惜別の声を送るTwitterユーザーで私のTLは埋め尽くされた、の、だが。
ここで私の虫の居処メーターはマックスを振り切った。
以下心の声吐露。
オマエら買ったか?
買っとったか?舟券。
百歩譲って熊谷や野添は買っとったかも知れんわ。けどな、シラコーさんや健蔵の舟券なんてほぼほぼ買っとらんやろ。
健蔵のインなんてハイワロハイワロで思いっきり消しとったん違うんか?
引退したら綺麗事か?美辞麗句か?
笑わすなよ。笑い取るのは4カドで握って流れて捜索願を出される吉田徳夫に任せとけや、と。
歳を重ねれば、自ずと身体は動かなくなる。
彼らはその葛藤に自ら決断を下したのである。
それに対して取ってつけた美辞麗句で送り出すのは、適当ではないと私は考える。
むしろヤジるべきだ。このクズ、ダボハゼ、しゃんと走れんかったら辞めてまえ、と。
その代わり、ゆっくり休め。今まで俺達を楽しませてくれた分、ゆっくりくつろいでから第二の人生楽しんでくれ、と。
温度差というか、死生観、また引き際に関し
ここ数週間、イライラヤキモキしていたけれど
文字にしたことで私の怒りメーターも下に振れてくれる事を祈りつつ、もう1本飲んで寝ることにしよう。