札幌と蒲郡、そして30年の自責

出奔という言葉がある。

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無茶を勢いだけで振り切ろうとして、私は30数年前に故郷を捨てた。逃げた、逃げ出した。

行き着いた先は縁もゆかりもない愛知県の片田舎。

故郷の地下鉄は10分待たずに次の車両が来た。けれど私が新天地と定めたその地の電車は1時間に2本、なんなら時間に1本。

すごい所に来たもんだ、やべぇな生きてけるかな、と私は面白がった。

基本私はなんでも面白がった、

逆境?いいじゃんスキルアップよ。って。

 

なんでもできる、前向いてれば。

そんな気になってた、錯覚してた。

実際、横や後ろは向かなかったけれど。

前を向くことは、いや

前だけを向くことは、先頭に立つ者を支えてくれる人たちを傷つけることなんだよね。

 

前だけ向いてる人はモテる、男女問わずね。

だから私はモテた。けど、それは

無鉄砲は面白がられるから、なんだよ。

好かれると面白がられるは全く違う。

ましてそれは愛されるにはほぼ発展しない。し、面白がられる人は面白がる人を愛せない。

 

まぁ、おかげで沢山の知り合いを得た。

 

沢山の知り合いを得て、酒と金を介していくつもの笑顔とそれを上回る苦悩、後悔を背負うことになるのはまた別の話。

 

蟹食べに行こうハリソンフォード

リズムが弾けて恋するモード。

 

 

外面だけいい男に

伴った女性には心労だけをかけ、

2人の子供を授かるも、

基礎のできてない建物は壊れるのみ、

いとも簡単に、私の家庭は私の愚かさゆえに崩壊し、彼女たちは北へ帰った。

 

そう、私の根幹には

いや、私には、私の行動には根幹がない。

 

よく親が、親戚が。私のことを根無草と揶揄した。

当時の私は、馬鹿野郎、根っこ生やせばいいんだべ?やったるわ。道産子は開拓民なんだわ、

やればできるんだわI'm a 北海道man

なんて嘯いてみたものの、

所詮私は開拓民でなく先住民の末裔だった。

開拓する術なんてDNAレベルに1mmも無かったんだなぁ。

 

根っこが生えてないくせに

言うことだけはデカい、当然こんな大言壮語は潮に流される砂文字の如く雲散霧消してしまう。

 

…自己弁護するけどガキなんてそんなもん。

 

↑問題はこのガキが俺できるから黙ってついて来いとかいうのがどうしようもないんだよなぁ。

 

今の私が過去の私に会えるなら言いたい、

やめれ、お前は自分が思ってる程なんも持ってないよ。

お前自分が楽しむだけしか知らないべ。

自分が楽しむために、

人を傷つけるのって、人を泣かすのって、格好悪くねえか?

 

けど過去の私は、その格好悪さに気づかないんだろなあ。

 

楽しいが正義!とか言ってビールジョッキ天に掲げてたもんなぁ。

 

2人で北海道から出てきて

1人で三河に残り、

なにを遺すでもなく、無為に日々を過ごす。

 

けど捨てる神あれば拾う神あり。

 

いつの日か輝くだろう今宵の月のように

 

転々と職を変え、住処を変え。

ここらの話は書きたくても書けん。

まぁ、法は侵してないはず、たぶん。

 

 

なんだかんだがありまして、

気づけば30年、気づけば50。

 

行き着いた安住の地、それが蒲郡なのかなぁ。

そして行き着いてたどり着いた人が女神様だったんだなぁ。

 

こんな私でも心を寄せてくれる人がいるなら、その人に応えたい、残りの人生を懸けて。

もう人を哀しませたくない。

 

いつもありがとう、本当にありがとう。10年もの長きにわたりこんなどうしようもない男を見続けてくれてありがとう。

 

私を見てくれているその視線がなければ私は誤った道に進んでいたかも知れない。

 

少しずつ、遅々としてるけれどそれなりにまともになってるはずです。足りないと感じてたらごめんなさい。言葉にしてください。その言葉に素直に従える程度には成長できてる…はず、です。

 

 

蒲郡で地盤が固まってきた、終活の道筋も見えてきたかな。

そう思ったら札幌で、父親が弱ってきました。

 

たぶんそう長くはないと悟ってるのでしょう。

あれだけ忌み嫌ってた私にシンパを送ってきてます。正直気持ち悪いですが、好き勝手にやらせてもらった恩義もあります。

 

私が働けるのはあとせいぜい10年、

さぁ、どうしたものか。

 

振り返れば30年前、50の私なんか想像もせず未来予想図なんて描きもせず手ぶらできた三河

そんな道産子を迎え入れてくれた三河

 

最後の采配をどう振るうのか。

 

北に帰る人の群れは誰も無口で

海鳴りだけをきいてます…

 

あぁ、無口は無理だ(≧∇≦)

 

気づけば5時前かい。

まぁ今日、明日で決める話じゃない。

 

最後の選択、残り時間はまだある…と信じたいね。